貧困に喘ぐ彼女たちの心の叫を「個人の物語」として丹念に聞き集めたノンフィクション。
9巻は2023年12月、話題になった立ちんぼの話も掲載。
ホストの売掛問題での立ちんぼも多かったのですが、その割合は4割ほど。
6割は貧困のためのものでしょう。
- 風俗経験者
- 友人に誘われて
- 貧困問題で
結局立ちんぼはリスクはあるが、短時間で稼げる商売なのでしょう。
副業としても一日で数万円は稼ぐことが出来ますし、現金商売ですので収入として申請しない場合も多いです。
そのため、直接多額の現金を得ることができるのです。
ただ女性の貧困問題と言いますが、スキルや学歴がない場合は男性でも同様です。
同じように貧困になりますが、男性の場合は自己責任とされています。
女性が問題になりやすいのは、守られるべき存在という認識があるせいもあると思います。
本巻では、未成年や若い女性の悲劇とされクローズアップされました。
本記事のポイント
- 女性の貧困問題は悲劇になる
- 夢を追いかけるのは素晴らしいが、破れた人には冷たい
- 幼少期の愛情は大切
以上です。
東京貧困女子。(9)のあらすじ
「今はもう、まったく未来が見えません」
令和の日本を蝕む「女性の貧困問題」という絶望。目を背けたくなるような現実が、ここにある。
ピアニストの夢を諦められない音大卒・40代女性、「立ちんぼ」で体を売り続ける18歳家出少女…、この貧困は決して他人事ではない--。
東洋経済オンラインで1億2000万PVを突破した人気連載、待望のコミカライズ!
東京貧困女子。(9)の内容
夢を追い続け、40代になってしまったある女性ピアニストの話
第65話 林真奈(1)
第66話 林真奈(2)
第67話 林真奈(3)
第68話 林真奈(4)
あるシングルマザーの元で育てられた少女の話
第69話 平塚璃々衣(1)
第70話 平塚璃々衣(2)
第71話 平塚璃々衣(3)
第72話 平塚璃々衣(4)
東京貧困女子。(9)の背景となる問題点
林真奈さんの事例
43歳・実家暮らし、年収150万円、職歴なし
小学校、中学校まで1ジャンルに優秀である、その事で評価されます。
ただ高校大学となり、集まる生徒が広範囲になってくると状況は違ってきます。
林真奈さんの問題は、女性の貧困問題となっていますが、計画性の問題でもあります。
林真奈さんは芸大に進みましたが、その時点で同級生の経済格差がわかっていました。
「お金に余裕のある人達は、私がバイトをしている間に練習をし、さらに留学までしているんだ」
- 芸術にはお金が必要だった
- 大学でアカハラにあった
- 方向転換をしなかった
なりふりかまわず夢を追うことは悪いころではありません。
ですが年代によっての生活イベントというものがあります。
特に女性は妊娠出産という大イベントがある為、40歳以降は結婚しにくくなる傾向が強いです。
そのため、林さんも婚活という方向転換をすることが出来なくなりました。
30代前半で婚活開始なら、間に合ったかもしれませんが・・・。
平塚璃々衣さんの事例
平塚さんは家庭の問題で早期に家出をしました。
シングルマザー故の問題でもあるのですが、自宅に通ってくる男性とのトラブル、シングルマザーならではの子育てへの時間の少なさ、などが問題です。
家出後は若い女性には需要があるため、援デリへ
そこで過ごした末、公園での立ちんぼをすることに。
彼女の問題点とは
- 幼少期の愛情不足
- 悪い子という呪い
- 母親の彼氏が害悪だった
結果、未成年の状態で東京へ・・・
ホストの売掛問題で立ちんぼをする人が一定割合いますが、こうやって
ただ、2023年12月21日時点で立ちんぼは規制されていっています。
彼女が300万円を貯めることができる日がくるのか・・・
東京貧困女子。(9)の感想・レビュー
東京貧困女子には色々な事例がありましたが、今回は夢に破れた女性という、現実の厳しさを感じさせる巻となりました。
夢を追うのは素敵なことなのですが、なりふり構わず、が悪かったのでしょう。
林さんの事例も自己責任と言われる可能性が高いですね。
ただ夢が破れても、方向転換を許される社会であって欲しい、それは確かなことだと思います。
とはいえ、日本全体で貧困化が進んでいます。
皆、リスクをとってメリットを獲得するために日々活動しています。
自分にできることを認めることも大切であり、この見極めも大切なポイントです。
特に人間社会では年相応が求められています。
一般的なコースで社会人としての技術やスキルがない場合、即戦力とはなりませんので、評価は低くなりやすいです。
皆最初は最低賃金では収入は最低限、そこからスタートなのですが夢を追う場合技術の評価が一定以上で、しかもコネがなければ難しいのが現実です。
林さんにとって必要なことは、足るを知るという事だったのかもしれません。
母親がさらに衰えたら、林さんはどうするのか・・・結婚しないまま親が高齢化したらどうなるか・・・日本の将来、多発するであろう1シーンを見ているのかもしれません。
まとめ
東京貧困女子。(9)の情報まとめ
シリーズ名 東京貧困女子。
作家 中村淳彦 小田原愛
掲載誌・レーベル ビッグコミックス
出版社 小学館
ページ数 206ページ
配信開始日 2023/09/28 00:00