『みいちゃんと山田さん』に登場するシゲオは、 一見するとどこにでもいそうな「金払いの良い客」です。 しかし物語が進むにつれ、彼の言動は次第に違和感を帯びていきます。
その違和感の正体は、「善意」や「好意」を 自分に都合よく解釈し続ける歪んだ認知でした。
本記事では、ただの脇役では終わらない重要人物・シゲオ(鈴木茂雄)について、 なぜここまで読者に恐怖を与えるのか、 そして犯人説が浮上する理由までを、作中描写をもとに考察します。
- シゲオ(鈴木茂雄)とは?作品中の立ち位置
- 「勘違い」の病理…金銭関係を「愛」と信じ込む怖さ
- クズ&キモいエピソードまとめ【ネタバレ注意】
- 犯人説の検証:シゲオはクロか?シロか?
- 【27話最新】シゲオ犯人説はほぼ否定|決定的だった「自覚」と「目が澄む」描写
- まとめ:シゲオは現代の「闇」そのもの
シゲオ(鈴木茂雄)とは?作品中の立ち位置
まずはシゲオの基本情報をおさらいします。
- 本名: 鈴木 茂雄(すずき しげオ)
- 特徴: 冴えない中年男性。独身(推定)。
- 性格: 思い込みが激しく、自分の都合のいいように現実を解釈する。
- 作品中の役割: みいちゃんの「太客」の一人。
一見するとどこにでもいそうな「金払いの良い客」ですが、物語が進むにつれて「話が通じないモンスター」としての本性を現していきます。
「勘違い」の病理…金銭関係を「愛」と信じ込む怖さ
シゲオを見ていて読者が最も戦慄するのは、その「脳内変換」のプロセスです。
彼は、キャバクラや風俗といった「お金が発生する場」での会話や笑顔を、すべて「自分への純粋な好意」として受け取ります。
- 営業メール → 「俺に会いたがっている」
- 店での接客 → 「俺たちは心で繋がっている」
- 拒絶や塩対応 → 「周りの悪い大人に言わされている」「照れている」
この「拒絶が届かない無敵のメンタル」こそが、彼がホラーキャラとして恐れられている最大の理由です。
クズ&キモいエピソードまとめ【ネタバレ注意】
ここからは、作中で描かれたシゲオの「ドン引きエピソード」を具体的に紹介します。特に第19話と第26話の描写は必見です。
① 自分の「なろう小説」語りを全肯定してほしい(第26話)
最新話(第26話)では、シゲオの幼稚な支配欲が露呈しました。
行きつけの店でみいちゃんに似た「ミュウ」というキャストを指名したシゲオ。彼は自分のお気に入りのなろう系小説について熱く語り出します。
そのタイトルは、
『会社で追放された俺が並行宇宙へTS転生して魔導師となり無双する事案』。
これに対し、ミュウちゃんが「よくあるテンプレですね」と適当な相槌を打つと、シゲオは内心で激昂します。
「テンプレじゃなくて『王道』な!!」
「このバカ女が!!」
そして、恐ろしいことに比較対象としてみいちゃんを思い浮かべ、こう独白するのです。
「みいちゃんだったら何も思考せず全肯定してくれるのに!!」
脳内のみいちゃんは、焦点の合わない目で「スゴイ~!」「カワイ~!」と繰り返すだけの人形として描かれています。彼は人間を求めているのではなく、「自分の自尊心を満たしてくれる全肯定システム」を求めていることが確定した瞬間でした。
② 「俺の人生計画が!」刃物を持って襲撃(第19話)
過去の第19話「人生計画」では、さらに直接的な凶行に及んでいます。
みいちゃんが風俗店のブログ(写メ日記)で、他の男相手に過激なサービスをしていることを知ったシゲオ。
ショックを受けた彼は、なんと包丁を持って店に乗り込みます。
「俺の計画も人生も滅茶苦茶だよ!!」
勝手に結婚や将来を妄想していた「人生計画」が崩れたと泣き叫び、「みいちゃんを追い出したお前らが悪い」と店員に責任転嫁。
最終的には「さよならっ…みいちゃん…」と心中や自殺をほのめかしますが、店員にあっさりと取り押さえられました。
この時、彼は「元カノ(みいちゃん)がそんなことしてるの知りたくなかった」と発言しており、最後まで「付き合っていた」という妄想の中に生きています。
犯人説の検証:シゲオはクロか?シロか?
※27話(サプラーイズ②)で、シゲオは「想像の彼女が好きだった」と自覚し、母親との会話で価値観の修正も描かれました。この流れから、シゲオ犯人説は“ほぼ否定”と見ていいでしょう。
それでは、本題の「みいちゃんを殺したのはシゲオなのか?」について考察します。
犯人である可能性(クロ)
動機は十分すぎます。
- 理想の崩壊: 第26話で見たように、彼は「自分の理想(全肯定)」を否定されると激昂します。もしみいちゃん本人が拒絶の言葉を口にしたら、発作的に殺害する可能性があります。
- 「救済」という名の殺人: 彼はデリヘルを呼ぶ際、「今俺が…その地獄から救い出してあげるからね」と独白しています。彼にとって殺害は「汚れた世界からの救済」という歪んだ正義になるかもしれません。
犯人ではない可能性(シロ/ミスリード)
一方で、彼が犯人ではないと思わせる要素もあります。
- 物理的に弱い: 第19話で店員にあっさり腕を捻り上げられて制圧されており、戦闘能力は高くありません。抵抗するみいちゃんを殺害できるかは疑問です。
- あからさま過ぎる: ミステリーとして、ここまで「怪しい」人物はミスリード役(読者の目を逸らす囮)であることが多いです。彼は物語の「不穏さ」を演出する役割で、真犯人はもっと意外な人物(例えば山田さんなど)かもしれません。
【27話最新】シゲオ犯人説はほぼ否定|決定的だった「自覚」と「目が澄む」描写
結論から言うと、27話(サプラーイズ②)で「シゲオ=犯人」説はほぼ否定されたと見ていい展開でした。
というのも今回の27話は、怪しい男をさらに怪しくする回ではなく、「シゲオという人物を物語の中で解体し、役割を終わらせる回」になっていたからです。
婚姻届→拒絶→「想像の彼女が好きだった」…犯人の描写ではない
シゲオはみいちゃんに婚姻届を差し出し、「結婚しよう」と告白します。ところがみいちゃんは、山田さんをかばいながら拒絶し、婚姻届を破り捨てました。
ここでシゲオが見せた反応が決定的です。彼はみいちゃんに怒りをぶつけ続けるのではなく、混乱の末にこう自覚します。
「俺って、みいちゃんが好きなわけじゃなくて、俺の想像したみいちゃんが好きだったんだな」
これはミステリー的に見ると、「犯人候補が自分の歪みを言語化してしまう」状態で、犯人ルートというより“退出(役割終了)”のサインです。
中学時代の回想=「人間がわからない」原体験の提示
さらにシゲオは回想で、昨日優しかった相手が今日は冷たくなる、友達だと思っていた相手がいじめの首謀者だった――など、人間関係の揺らぎに耐えられなかった過去を思い出します。
この回想は「犯行動機を積み上げる」ためではなく、シゲオがなぜ“都合のいい解釈”にすがるのかを説明する、いわば心理の答え合わせです。
母親の言葉と「目がきれいになる」描写=闇落ちルートの終結
帰宅後、テーブルには母親が置いた結婚相談所の案内があり、母親はこう言います。
「そういうのは相手あってのことだからね。相手も幸せって感じるかが大事だからね」
この言葉を受けてシゲオは、「いい出会いがあれば大切にする」と返し、最後には目がきれいなシゲオにチェンジします。
この描写は、物語の文法としては「更生・退出・再出発」の合図であり、“ここから凶行に走る”タイプの描き方ではありません。
27話を踏まえた結論
- シゲオは「犯人」よりも、みいちゃんを取り巻く“危険な客・歪んだ認知”の象徴として役割が確定
- 犯人説の熱はここで一段落し、物語は別の方向(構造・別人物)へ進む可能性が高い
まとめ:シゲオは現代の「闇」そのもの
シゲオは単なるネタキャラではなく、『みいちゃんと山田さん』という作品が描く「コミュニケーション不全の恐怖」を象徴するキャラクターです。
- お金で関係を買っているのに「愛」だと信じる。
- 相手を「人間」ではなく「全肯定してくれる人形」として扱う。
- 思い通りにならないと「被害者」になりすまして攻撃する。
そして27話で描かれたのは、シゲオの闇落ちではなく「歪みの自覚」と「役割の終結」でした。
シゲオは犯人ではない――けれど、みいちゃんを追い詰めていく“社会の怖さ”がここにある。今後の展開は別の方向で、さらに不穏さを増していきそうです。
この記事の作品が好きなら絶対ハマる!
まずは1巻をこの価格で!
注目 実はまとめ買いも70%OFF対象です
