ヒューマンドラマが面白い！
バンチコミックスより【教育虐待 ―子供を壊す「教育熱心」な親たち 1巻】が発売されました。
これは学歴社会の弊害とも言われてきた、過剰な教育で起きた問題です。
児童虐待においては、育児放棄の他、身体的・心理的・性的の4つの概念があります。
教育虐待は新しい言葉であり、あまり認知されていません。
（実際、子供のために！と教育をする母親は教育ママと呼ばれ、まだ比較的好感触）
現在はその人にあった教育を！
が推奨されていますが、未だ学歴による社会の優遇は変わっていません。
人間は適応力が非常に優れています。
そのため、やり方によっては何者にもなることができる場合もありました。
その結果、やれば結果を出せるはず！
そういった間違った概念が広まっています。
この本では
- 学歴第一主義による弊害
- 自然に学ぶことの大切さ
- やりすぎを知らないのは悪
- どうすれば助けになるのかを知る
を読み取ることができます。
ただ、その人の詳細まで知るには時間と交流が必要です。
だからこそ、失敗するケースも多いのかもしれません。
最大の問題は成功した場合は許され、社会に出る
失敗で壊れてしまった場合は隠される
発見の難しさ これがよくわかりました。
【教育虐待 ―子供を壊す「教育熱心」な親たち 1巻】 のあらすじ
教育ジャーナリスト・石橋大地が代表を務める「エデュケーション企画」。
ここでは教育関係のメディア企画などを行っており、教育の名のもとに行われる違法な虐待行為「教育虐待」にまつわる問題も扱っている。
過熱する中学受験ブームの影響により、石橋のもとには様々な相談。
今作は、その様々な相談を漫画化した作品です。
【教育虐待 ―子供を壊す「教育熱心」な親たち 1巻】 の内容（ネタバレ）
第1話【ケース1】教育という名の暴力①
第2話【ケース1】教育という名の暴力②
第3話【ケース1】教育という名の暴力③
第4話【ケース2】進学校の狂気①
第5話【ケース2】進学校の狂気②
コラム
エデュケーション企画より
怖いとしか言うしかない教育虐待。
「こうするしかない！これしか成功への道がない！」
凝り固まった思考により、子供、親ともに追い詰められていく・・・。
問題点
- 親の成功体験のみを事実としている
- 父親、母親のコミュニケーションが取れていない
- 子供のために！が親のために、にすり替わっている
- すり替わりに気がついていない
- 外部からの洗脳的な発信を受けている
やはり、人間向き不向きはある・・・
【教育虐待 ―子供を壊す「教育熱心」な親たち 1巻】 の感想（ネタバレ）
教育虐待型受験教育、今回の事例はそんな言葉が生易しいほどの衝撃でした。
確かに詰め込み教育をする人はいます。
「子どもの勉強の能力は、運動と芸術と同じで生まれつき個々によって違う」
こらが当たり前なはずなんですけど、なぜか受験だけは同じ。
勉強させまくればいい、そんな考えがまかり通っています。
塾通いや家庭教師も多いです。
実際、私の近所にも学習塾は多い。
珍しく子供の数が多い地域ですので、ビルみたいな塾が数社近辺に固まってあります。
いつも明かりがついており、繁盛しているようです。
でも実際は進学するごとに、勉強に適正が高い人が集まってくる。
勝ち抜くのはほぼ無理です。
子供に期待しているからでしょう、作中では人格を否定するような罵声まで出す人もいました。
本来は心理的虐待ですが、家庭のこと、教育方針だからと入れません。
今作を読んで、教育虐待の予想以上の酷さをわかってもらえれば嬉しい、そんな本です。
特に
複数子供がいた場合
成功した子は社会に出て
壊れてしまった子は隠される。
それが通ってしまうのじゃ恐怖です・・。
まとめ
シリーズ名 教育虐待 ―子供を壊す「教育熱心」な親たち
作家 石井光太 鈴木マサカズ ワダユウキ
掲載誌・レーベル バンチコミックス
出版社 新潮社
カテゴリー 青年コミック
ジャンル ヒューマンドラマ
ページ数 203ページ
配信開始日 2024/08/07 00:00
