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死にたいと言ってください ―保健所こころの支援係―ネタバレ全巻raw解説、最終回は?

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『妻よ、僕の恋人になってくれませんか?』は、 すれ違った夫婦が、もう一度「恋人」の距離へ戻っていく姿を描いた大人のラブストーリーです。

章ごとに主人公となる夫婦が変わり、 レス・仕事・子ども・熟年夫婦・出産後の変化など、 年代や家庭によって違う夫婦の悩みが描かれています。

第1章・太田夫婦編👇

夫婦仲は悪くない。 でも、いつの間にか「夫婦」になりすぎて、 恋人だったころの距離を見失ってしまった二人。 もう一度、妻に恋をしたい。 そんな夫婦の再スタートが描かれます。

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第2章・田所夫婦編👇

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第2章・田所夫婦編は9話〜15話で完結

子なし共働き夫婦の耕一と凛。
仲は良いのに、夫婦というより 「親友」のような関係になってしまった二人の物語です。

夫婦仲は良い。 それでも、どこか満たされない――。 「仲が良い=夫婦として問題がない」とは限らない。
仕事・子ども・夫婦生活をめぐる価値観の違いまで描かれる、 かなり現実的な章です。

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9話は無料対象。田所夫婦編は15話で完結します。
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第3章・川島夫婦編👇

16話〜22話で完結

長年連れ添った年の差夫婦。 家庭も仕事も順調だと思っていた夫に、 妻が突然「離婚」を切り出します。

「二人でいるのが耐えられない」 卒婚のようにも見える離婚話。 しかし妻が本当に苦しんでいたのは、 夫のことが好きなのに、一人の女性として見てもらえない寂しさでした。

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16話は無料対象。川島夫婦編は22話で完結します。

第4章・倉田夫婦編👇

最新23話から新章スタート

今度の主人公は32歳の倉田夫妻。
子どもが生まれてから約2年間、 夫婦生活がなくなった二人の物語です。

夫婦仲が悪いわけではありません。
しかし出産をきっかけに妻は「母親」となり、 夫は男と女としての距離がなくなってしまったことに 寂しさを感じています。

今回も「仲が良いのに、なぜ?」という 夫婦のすれ違いから始まります。

『妻よ、僕の恋人になってくれませんか?』23話 第4章・倉田夫婦編

第4章は23話からスタート

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『死にたいと言ってください ―保健所こころの支援係―』は、 保健所の「こころの支援係」を舞台に、 「死にたい」という思いを抱える人たちと、支援する側の姿を描いた作品です。

自殺未遂、ひきこもり、家庭問題、精神疾患など、 相談者によって抱えている事情はさまざま。

新人の精神保健福祉士・基羊介が、 先輩たちとともに一人ひとりの相談者と向き合いながら、 「支援とは何なのか」を学んでいきます。

本作は全7巻で完結しています。

この記事では、 『死にたいと言ってください ―保健所こころの支援係―』1巻から7巻までの内容をネタバレありで解説。

さらに後半では、 完結7巻と最終回がどのような結末を迎えたのかについても詳しくまとめていきます。

『死にたいと言ってください ―保健所こころの支援係―』7巻

7巻では「見つけた居場所」が完結し、 支援の隙間に落ちた10代の現実が描かれます。

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死にたいと言ってください ―保健所こころの支援係―全巻ネタバレ

ここからは『死にたいと言ってください ―保健所こころの支援係―』を、 1巻から順番にネタバレありで紹介していきます。

1巻のネタバレ

『死にたいと言ってください ―保健所こころの支援係―』1巻

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現在コミックシーモアでは、
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1巻の目次

  • 第1回 ふつうになりたい
  • 第2回 揺らぐ想い1
  • 第3回 揺らぐ想い2
  • 第4回 子供からのサイン1
  • 第5回 子供からのサイン2

1巻の主な登場人物

基 羊介
本作の主人公。
保健所に採用されたばかりの新人・精神保健福祉士です。

冴木
基の先輩にあたる精神保健福祉士。
経験の浅い基と一緒に相談者への支援を行います。

金谷美知枝
こころの支援係の係長。51歳。
ケース会議などで支援の方向性を考える立場です。

留美
「ふつうになりたい」に登場する女性。
生きづらさを抱えながら、「普通に暮らしたい」と願っています。

祖父江 崇(仮名)
67歳の男性。
自殺未遂によって入院しており、今回が2度目の自殺未遂です。

飯島綾花(仮名)
17歳の通信制高校3年生。
自傷や自殺未遂を繰り返しており、家庭にも複雑な事情を抱えています。

1巻では、新人の精神保健福祉士・基羊介が、 保健所の「こころの支援係」で働き始めるところから物語が始まります。

基たちのもとにやってくるのは、 単純に「病気を治せば解決する」という人たちばかりではありません。

最初に描かれるのは、 「ふつうになりたい」と願う留美のケースです。

留美が求めているのは、特別な成功ではありません。 働いて、お金をもらい、ご飯を食べて眠る。 そんな普通の生活を送りたいと考えています。

しかし、過去の経験や人との関わりへの不安もあり、 その「普通」にたどり着くこと自体が簡単ではありません。

新人である基は、相談者の話を聞きながら、 本人が本当に望んでいるものは何なのかを考えていきます。

 

続く「揺らぐ想い1・2」では、 67歳の祖父江崇が登場します。

祖父江は自殺未遂で入院しており、 しかも今回が2度目。

精神科への転科も検討されますが、 本人は治療を拒否します。

このまま退院してしまえば、 再び自殺未遂を起こす危険もあります。

基たちは祖父江本人だけでなく、 妻との関係にも目を向けながら、 どのような支援ができるのかを探っていきます。

 

そして「子供からのサイン1・2」では、 17歳の飯島綾花のケースが描かれます。

綾花はビルから飛び降りようとしていたところを保護され、 自殺未遂を繰り返している少女でした。

通信制高校に通っていますが、 現在は一人暮らし。

両親は離婚しており、 父親は県外で別の家庭を持っています。

一見すると生活できているように見える綾花ですが、 その裏には家族との距離や孤独がありました。

基たちは本人の言葉だけを見るのではなく、 生活環境や家族関係まで確認しながら、 自傷や自殺未遂の背景を探っていきます。

1巻を読んだ感想

1巻で特に印象に残ったのは、 同じ「死にたい」という言葉でも、その背景は一人ひとりまったく違う というところでした。

留美が望んでいたのは「普通に暮らすこと」。 祖父江には高齢になってからの生活や夫婦の問題があり、 17歳の綾花には家庭環境や孤独があります。

表面的には自殺未遂という同じ出来事でも、 そこに至るまでの理由は同じではありません。

そして、この作品がおもしろいのは、 支援する基たちも最初から正解を知っているわけではないところです。

新人の基と一緒に、 「この人には何が必要なのだろう?」 と考えながら読める1巻になっていました。

 

詳しくはこちらの記事へ

死にたいと言ってください ―保健所こころの支援係― : 1巻のネタバレまとめで魅力を紹介! - メイトの漫画まとめ速報

まずは1巻を読んでみたい方へ

コミックシーモアでは9月9日まで1巻無料です。

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2巻のネタバレ

『死にたいと言ってください ―保健所こころの支援係―』2巻

9月9日まで2巻無料

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コミックシーモアでは現在、
2巻も無料で読むことができます。

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2巻の目次

  • 第6回 子供からのサイン3
  • 第7回 子供からのサイン4
  • 第8回 生きてる意味1
  • 第9回 生きてる意味2
  • 第10回 生きてる意味3
  • 第11回 頑なに閉ざした心1

2巻の主な登場人物

飯島綾花(仮名)
17歳の少女。
1巻から続いて、自傷や自殺未遂を繰り返す背景が描かれます。

基 羊介
新人の精神保健福祉士。
綾花をはじめ、「死にたい」と訴える相談者への支援を続けます。

佐久間直之(仮名)
31歳の会社員。
「今から死にます」と保健所へ電話をかけてきた男性です。

西川麻紀(仮名)
27歳の女性。
「死にたい」と繰り返す姉について、保健所へ相談に訪れます。

2巻の前半では、1巻から続く 飯島綾花の「子供からのサイン」が完結します。

17歳の綾花は、自傷や自殺未遂を繰り返していました。

父親は県外で新しい生活を送っており、 綾花はほとんど一人で暮らしています。

そんな彼女にとって大きな支えとなっていたのが、 アルバイト先で知り合った恋人でした。

ところが調べていくと、 その男性はアルバイト先の店長で、しかも既婚者だったことが判明します。

信頼していた大人に裏切られた綾花は、 大きなショックを受けます。

さらに父親にはすでに新しい家庭があり、 綾花は自分の居場所を失ったような気持ちになっていきます。

家族にも、恋人にも頼ることができない。

基たちはそんな綾花に対し、 すぐに問題を解決しようとするのではなく、 医療につなげながら関わりを続けていきます。

新人の基は、支援しているにもかかわらず、 目に見える変化がなかなか現れないことに戸惑います。

しかし、こころの支援では、 すぐに結果が出るとは限らないという現実も少しずつ学んでいきます。

 

第8回から始まる「生きてる意味」では、 31歳の佐久間直之が登場します。

保健所へ突然電話をかけてきた佐久間。

彼が口にしたのは、 「今から死ぬ」という切迫した内容でした。

基たちは電話を切らせないように話を続けながら、 佐久間がどこにいるのかを探ります。

佐久間はIT企業でSEとして働き、 大きなプロジェクトのチームリーダーを任されていました。

朝早くから出社し、 夜遅くまで残業する毎日。

仕事そのものにはやりがいを感じていましたが、 職場での人間関係やトラブルが重なったことで、 精神的に追い詰められていました。

医師から見ても、 このまま仕事を続けるのは危険な状態です。

ところが佐久間は、 「仕事を休むこと」そのものを強く拒否します。

仕事を失ったら、自分には何が残るのか。

佐久間にとって仕事は収入を得る手段だけではなく、 自分自身の価値を支える大きな存在になっていたのです。

 

そして2巻最後の第11回 「頑なに閉ざした心1」では、 西川麻紀が保健所を訪れます。

相談内容は、自分自身ではなく姉についてでした。

姉は最近、 「死にたい」と頻繁に口にするようになり、 深夜にも麻紀へ長時間電話をかけてきます。

麻紀は医療機関への受診を勧めますが、 姉は強く反発。

どうすればいいのかわからなくなり、 保健所へ助けを求めました。

姉には発達障害があり、 高校卒業後も仕事がうまく続きませんでした。

職場を転々とした末にうつ状態となり、 その後も生きづらさを抱え続けています。

幼いころから人との関わりや周囲の環境に苦しむことも多く、 家族も長い間その対応に悩んできました。

しかし今回は、 本人が支援を求めているわけではありません。

困っている本人が支援を拒否している中で、 家族に何ができるのか。

新しい難しいケースを残して、2巻は終わります。

2巻を読んだ感想

2巻で印象的だったのは、 「支えになるもの」が逆に本人を追い詰めることもある という点でした。

綾花にとっては恋人。 佐久間にとっては仕事。

どちらも本人にとっては、 つらい生活を支える大切な存在だったはずです。

しかし、その一つだけに頼らざるを得なくなると、 そこが崩れたときに一気に行き場を失ってしまいます。

また西川麻紀のケースでは、 本人だけではなく、 支えている家族まで疲れ切ってしまう問題も描かれています。

こころの支援は、 相談者に一度会えば解決するような仕事ではありません。

目に見える成果がなくても関わりを続け、 本人だけでなく周囲の人まで含めて支援していく。

2巻は1巻以上に、 「助ける」とはどういうことなのかを考えさせられる内容でした。

 

詳しくはこちらの記事へ

死にたいと言ってください ―保健所こころの支援係― : 2巻のネタバレまとめ!子共からのサインの解答は? - メイトの漫画まとめ速報

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綾花の結末から「生きてる意味」まで、
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3巻のネタバレ

『死にたいと言ってください ―保健所こころの支援係―』3巻

3巻では、発達障害を抱える姉と家族の問題を描いた 「頑なに閉ざした心」が完結。

さらに後半からは、 基が過去に関わった「初めてのケース」が描かれます。

3巻をシーモアで読む

3巻の目次

  • 第12回 頑なに閉ざした心2
  • 第13回 頑なに閉ざした心3
  • 第14回 頑なに閉ざした心4
  • 第15回 初めてのケース1
  • 第16回 初めてのケース2
  • 第17回 初めてのケース3

3巻の主な登場人物

館野 茜(仮名)
29歳・無職。
発達障害を抱えており、人との関係や仕事がうまくいかず、 精神的にも追い詰められています。

西川麻紀(仮名)
茜の妹。
「死にたい」と繰り返す姉を心配し、 2巻で保健所へ相談に訪れました。

守内 正己(仮名)
42歳の男性。
仕事や借金など複数の問題を抱え、 生活そのものが立ち行かなくなっています。

守内 美代子(仮名)
70歳。正己の母親。
息子の状態を心配し、保健所へ相談していた女性です。

3巻前半では、2巻から続く 「頑なに閉ざした心」が描かれます。

麻紀の姉・茜は発達障害を抱えており、 高校卒業後も仕事が長続きしませんでした。

職場を転々とした末に心の状態も悪化。

妹の麻紀にも頻繁に連絡をし、 「死にたい」と訴えるようになります。

しかし、基たちが支援しようとしても、 茜自身は周囲を簡単には信用しません。

自宅を訪ねた基たちに対しても強く警戒し、 「自分を助けようとしている人まで敵だと思ってしまう」 ような状態になっていました。

ここで難しいのは、 本人だけが苦しんでいるわけではないところです。

茜から繰り返し連絡を受ける麻紀も疲れ切っています。

助けたい気持ちはあっても、 家族だからといって24時間すべてを支えることはできません。

基たちは茜本人への支援だけではなく、 妹の麻紀を含めた家族全体の負担にも目を向けていきます。

発達障害そのものだけではなく、 仕事、人間関係、うつ状態、家族との関係など、 いくつもの問題が重なっているケースでした。

 

第15回からは、新しいエピソード 「初めてのケース」が始まります。

登場するのは42歳の守内正己です。

基が自宅を訪ねると、 正己はほとんど気力を失った状態で生活していました。

薬を飲んでいるものの、 本人には「本当に良くなるのか」という不安があります。

そんな正己を支えているのが、 70歳になる母・美代子です。

正己は若いころから仕事を転々とし、 その後も生活が安定しませんでした。

仕事を失い、借金も増え、 親からお金を借りなければ生活できない状況にまで追い込まれていきます。

さらに経済的な問題が重なり、 家庭にも大きな負担がかかっていました。

母・美代子は、 以前から息子が「死ぬかもしれない」と心配し、 保健所へ相談していました。

しかし問題は短期間では解決しません。

本人の心の状態だけでなく、 仕事、借金、家族、生活。

さまざまな問題が複雑に絡み合う中で、 基たちは正己への支援を続けることになります。

 

「初めてのケース」は3巻ではまだ完結しません。

正己と母・美代子をめぐるケースは、 4巻の第18回「初めてのケース4」へ続きます。

 

3巻を読んだ感想

3巻では、 茜と家族の話がかなり強烈でした。

発達障害という言葉だけを見れば、 本人への支援を考えてしまいがちです。

しかし実際には、 その人と一緒に暮らしたり、 相談を受け続けたりする家族にも大きな負担がかかります。

麻紀も姉を見捨てたいわけではありません。

それでも深夜まで長時間話を聞き、 何度も「死にたい」と訴えられれば、 支える側も少しずつ疲れてしまいます。

家族だから支えるのが当然。

そう簡単に言ってしまうと、 本人だけでなく家族まで共倒れになってしまうケースもあるのでは、 と考えさせられました。

そして「初めてのケース」でも、 心の問題だけを解決すれば終わりではありません。

仕事を失えば収入がなくなり、 借金が増えれば生活そのものが苦しくなる。 その負担は親にも広がっていきます。

3巻は特に、 本人だけを見るのではなく、 その人を取り巻く生活や家族まで支援する必要がある ことが伝わってくる巻でした。

 

詳しくはこちらの記事へ

死にたいと言ってください ―保健所こころの支援係― : 3巻のネタバレまとめ!生きにくい姉、支える妹の今後に迫る!! - メイトの漫画まとめ速報

「頑なに閉ざした心」の結末まで収録

発達障害を抱える茜と家族の問題、
そして「初めてのケース」は3巻で読むことができます。

『死にたいと言ってください』3巻をシーモアで読む

4巻のネタバレ

『死にたいと言ってください ―保健所こころの支援係―』4巻

4巻では、3巻から続いていた 「初めてのケース」が完結します。

さらに後半からは、 薬物依存をテーマにした 「抗えないもの」が始まります。

4巻をシーモアで読む

4巻の目次

  • 第18回 初めてのケース4
  • 第19回 抗えないもの1
  • 第20回 抗えないもの2
  • 第21回 抗えないもの3
  • 第22回 抗えないもの4
  • 第23回 抗えないもの5

4巻の主な登場人物

守内美代子(仮名)
70歳・無職。
息子・正己を長く心配し、保健所へ相談していた母親です。

守内正己(仮名)
42歳。
仕事や借金、心の不調を抱えていた男性で、 「初めてのケース」の中心人物です。

七瀬大輔(仮名)
33歳・無職。
薬物依存症を抱える男性。過去に逮捕や服役を経験しており、 保健所の支援につながっていきます。

4巻の冒頭では、 3巻から続いてきた 「初めてのケース」が完結します。

守内正己を支え続けてきた母・美代子は、 強い後悔を抱えながら生きていました。

そして彼女は、 「私が正己を殺したんです」 と、自分自身を責める言葉を口にします。

心の支援は、 本人が亡くなったら終わりではありません。

残された家族もまた、 「あのとき別の対応をしていれば」 という思いに苦しみ続けることが伝わってきます。

 

続く第19回からは、 「抗えないもの」が始まります。

今回、基たちが担当するのは、 七瀬大輔という33歳の男性です。

七瀬は薬物依存症を抱えており、 逮捕歴は3回。

以前にも警察の紹介で保健所につながっていましたが、 再び薬物を使用して逮捕され、 その後は刑務所に服役していました。

さらに出所後には自殺未遂も起こし、 精神科に入院することになります。

基たちは、 そんな七瀬の支援を引き継ぐことになります。

 

七瀬本人は、 「クスリはもう絶対にやめる」 と話していました。

ですが、薬物依存は 本人の決意だけで簡単に断ち切れるものではありません。

七瀬の過去を振り返ると、 若いころから荒れた生活を送り、 薬物や反社会的な人間関係と深く結びついてきたことがわかります。

中学卒業前に施設を飛び出し、 先輩に誘われるまま危うい世界に入り、 その流れの中で薬物にも手を出していきました。

大人になってからも、 逮捕、服役、出所を繰り返し、 普通の生活へ戻るのがどれほど難しいかが描かれます。

 

一方で七瀬には、 もう一度やり直そうとする動きも見え始めます。

仕事を紹介してもらい、 生活を立て直すきっかけも生まれますが、 過去の人間関係は簡単には切れません。

「抗えないもの」というタイトル通り、 七瀬は薬物そのものだけでなく、 過去の環境やつながりとも向き合うことになります。

4巻を読んだ感想

4巻で強く感じたのは、 自殺も依存症も、本人だけの問題では終わらない ということでした。

「初めてのケース」では、 守内正己本人の苦しみだけでなく、 残された母・美代子の後悔までしっかり描かれています。

本人を失ったあとも、 家族の苦しみは続いていくんですよね。

そして「抗えないもの」では、 薬物依存の怖さがかなりリアルでした。

ただ「やめたい」と思うだけでは足りず、 これまでの人間関係や生活環境そのものが、 再び本人を引き戻してしまう。

これは本当にきつい問題だと思います。

依存症というと、 本人の意思が弱いからだと見られがちです。

でも実際には、 住む場所、仕事、交友関係まで含めて立て直さないと再出発できない ことが、この巻からよく伝わってきました。

4巻は、 本作の重さと現実味がより強く出ている巻だったと感じます。

 

くわしくはこちらの記事へ

人生は人とのつながり。死にたいと言ってください ―保健所こころの支援係― : 4巻、ネタバレ込みで魅力を紹介! - メイトの漫画まとめ速報

「初めてのケース」の結末は4巻

守内親子の結末と、
薬物依存を描く「抗えないもの」が読めます。

『死にたいと言ってください』4巻をシーモアで読む

5巻のネタバレ

5巻は「匿名の声」と「母親の孤独」を収録

SNS炎上の怖さと、育児に追い詰められた母親の孤独が描かれる5巻です。
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5巻の目次

  • 第24回 匿名の声1
  • 第25回 匿名の声2
  • 第26回 匿名の声3
  • 第27回 匿名の声4
  • 第28回 母親の孤独1

5巻の主な登場人物

春川
新人文学賞を受賞した作家。
ある出来事をきっかけに、SNSで激しい炎上に巻き込まれていきます。

担当編集者
春川を支える立場の人物。
休養を勧めるなど、炎上で追い詰められる彼女を支えます。

北沢智彦(仮名)
36歳。
妻の異変に気づき、保健所へ相談する夫です。

北沢莉子(仮名)
34歳。
育児と孤独の中で、心身ともに追い詰められている母親です。

北沢樹(仮名)
3歳。
北沢夫婦の子どもです。

平畑弥生
新たにケースに関わる支援者。
基たちと一緒に北沢家への支援を行います。

5巻前半では、 「匿名の声」のエピソードが描かれます。

新人文学賞を受賞した春川は、 華やかなスタートを切ったように見えました。

ところが、過去の発言や感想が掘り返され、 SNS上で一気に炎上してしまいます。

きっかけは、 人気作品に対する過去の批評が拡散されたことでした。

それを見た人たちが次々に反応し、 批判はどんどん大きくなっていきます。

RTや「いいね」が積み重なることで、 春川への悪意が一気に可視化されていく流れはかなり生々しいです。

しかも怖いのは、 叩いている側が必ずしも深く考えて行動しているわけではないことです。

軽い気持ちの拡散や反応でも、 数が増えれば当事者には大きな圧力になります。

さらに顔写真や住所にまで話が及び、 春川は精神的にかなり限界へ近づいていきます。

編集者は休養やSNSから距離を置くことを勧めますが、 春川は簡単には離れられません。

本の宣伝や仕事への責任感もあり、 気にしないようにしながらも、 結局は画面を見てしまいます。

SNS上の炎上が、現実の生活まで壊していく。

その怖さが強く伝わってくるエピソードでした。

 

5巻後半では、 新たなケース「母親の孤独」が始まります。

保健所に相談してきたのは、 妻の様子がおかしいと感じた夫・北沢智彦でした。

妻の莉子は3歳の子どもを育てていますが、 かなり追い詰められている様子です。

ここで平畑弥生も加わり、 基たちは北沢家への支援を始めます。

夫婦から話を聞いていくと、 育児そのものの負担だけではなく、 孤立感や夫婦間のすれ違いも見えてきます。

莉子は子どもがかわいくないわけではありません。

それでも毎日の育児に余裕を失い、 自分自身がどんどん追い詰められていました。

「母親の孤独」はまだ始まったばかり。

莉子がなぜここまで追い詰められてしまったのか。 その詳しい事情は6巻へと続きます。

5巻を読んだ感想

5巻で特に印象に残ったのは、 やはり「匿名の声」です。

炎上って本当に怖いですよね。

しかも反応する側の多くが、 そこまで重い気持ちで行動していないのが、 また罪深いところだと思いました。

ただ「いいね」を押しただけ。

少し共感して拡散しただけ。

一人ひとりにとってはその程度でも、 何百、何千と積み重なれば、 当事者には大きな刃になります。

軽い気持ちで参加する側と、 すべてを一身に受ける側では、 負担がまったく違うんですよね。

5巻は、 SNS炎上の怖さをかなりわかりやすく描いていたと思います。

後半の「母親の孤独」も重いテーマです。

子育てそのものの大変さだけではなく、 誰にも理解してもらえない孤独が、 少しずつ人を追い詰めていきます。

SNSの炎上も育児の孤独も、 外からは見えにくい苦しさだからこそ、 周囲が気づいたときにはかなり深刻になっているのかもしれません。

 

詳しくはこちらの記事へ

【ネタバレ】死にたいと言ってください ―保健所こころの支援係― : 5の感想 今回はSNS炎上編!!匿名者は友人だった、その時、世界は壊れ - メイトの漫画まとめ速報

5巻をシーモアで読む

 

6巻のネタバレ

『死にたいと言ってください ―保健所こころの支援係―』6巻

6巻では、育児に追い詰められた母親を描く 「母親の孤独」が完結。

さらに「向き合えない人」「寄り添うこと」、 「見つけた居場所」へと続きます。

6巻をシーモアで読む

6巻の目次

  • 第29回 母親の孤独2
  • 第30回 母親の孤独3
  • 第31回 母親の孤独4
  • 第32回 向き合えない人
  • 第33回 寄り添うこと
  • 第34回 見つけた居場所1

6巻の主な登場人物

北沢莉子(仮名)
34歳。
3歳の息子・樹を育てる母親。 夫から十分な理解を得られないまま育児を抱え込み、 心身ともに限界へ近づいています。

北沢智彦(仮名)
36歳。莉子の夫。
当初は妻の苦しさを十分に理解できていませんでしたが、 自分で育児をすることで考え方が変わっていきます。

北沢樹(仮名)
3歳。
言葉の発達や強いこだわりなどが見られ、 発達障害・ASDの可能性を指摘されます。

柳原 修(仮名)
52歳・無職。
長く家事を親に頼って生活してきた男性。 父親の入院をきっかけに、一人で生活する必要に迫られます。

古川百合(仮名)
40歳・主婦。
元夫の暴力から息子とともに逃げた経験を持つ女性。 その後も親子でさまざまな問題を抱えることになります。

6巻前半では、5巻から続いていた 「母親の孤独」が描かれます。

莉子は3歳の息子・樹の育児を、 ほとんど一人で抱えていました。

樹には言葉の発達の遅れや、 特定の物への強いこだわりなどが見られます。

育てにくさを感じながらも、 莉子は毎日の生活を必死に続けていました。

しかし夫・智彦には、 その大変さが十分に伝わっていません。

妻が苦しんでいても、 どこか「子育てならこれくらい普通」と考えている部分があり、 莉子の負担はさらに大きくなっていきます。

 

そしてついに莉子は限界を迎え、 心身のバランスを崩して倒れてしまいます。

そこで智彦は、 自分自身で樹の世話をすることになります。

これまで妻に任せていた食事や身の回りのことを、 今度は自分一人でやらなければなりません。

実際に子どもと向き合ってみると、 智彦はようやく妻がどれだけ大変な毎日を送っていたのかを知ります。

その後、樹は発達について検査を受け、 ASD(自閉スペクトラム症)の疑いを指摘されます。

莉子にとって診断の可能性を示されたことは、 ショックだけではありませんでした。

ずっと一人で 「自分の育て方が悪いのでは」 と悩んできたからこそ、 原因が少し見えたことで安堵する部分もあったのです。

そして智彦自身も、 樹の特性について考える中で、 「もしかすると自分にも似た部分があるのではないか」 と気づいていきます。

妻の苦しさを理解せず、 一人で背負わせてきたこと。

智彦はそれまでの自分の態度を振り返り、 莉子へ謝罪します。

 

完全に問題がなくなったわけではありません。

それでも夫婦が同じ方向を向き、 子どもの特性を理解しながら育てていこうとすることで、 北沢家は少しずつ前へ進み始めます。

 

 

第32回「向き合えない人」では、 52歳の柳原修が登場します。

修はこれまで家のことをほとんど自分でせず、 親に頼って生活してきました。

ところが77歳の父親が倒れて入院。

突然、自分で生活しなければならなくなります。

炊飯器の使い方すらわからず、 食事をすることにも困ってしまう修。

基たちは自宅を訪問し、 いきなり何でも自立させようとするのではなく、 まずできることを一つずつ増やすところから支援していきます。

一緒に米を研ぎ、 炊飯器を使ってご飯を炊く。

とても小さなことに見えますが、 長く親に依存してきた修にとっては、 自分で生活するための大きな一歩になります。

続く第33回は 「寄り添うこと」

さまざまなケースを経験してきた基たちが、 支援する側として何ができるのかを改めて考える回です。

相談者の人生を代わりに生きることはできません。

問題をすべて解決することもできません。

それでも、 その人の隣に立ち、必要なときに支え続ける。

精神保健福祉士という仕事の意味が、 改めて描かれるエピソードになっています。

そして6巻最後の第34回では、 「見つけた居場所」が始まります。

相談に訪れたのは、 40歳の古川百合

百合は以前、 夫からの暴力に耐えられなくなり、 息子と一緒にシェルターへ逃げた経験を持っていました。

 

その後は息子と二人でアパートへ移り、 新しい生活を始めようとします。
しかし、働こうとした矢先に百合自身の体調が悪化。
その頃双極性障害を発症したことも明らかになります。
DVから逃げればすべて解決するわけではなく、 その後の生活にもさまざまな問題が残っていました。

親子がようやく逃げ出したあと、 どこに自分たちの「居場所」を作るのか。

この新しいケースは7巻へと続いていきます。

6巻を読んだ感想

6巻で特に印象に残ったのは、 やはり「母親の孤独」でした。

妻が「大変だ」と言っている間は理解できなかった夫が、 実際に自分で子育てをすることで、 初めてその大変さに気づくんですよね。

これはかなり現実的な話だと思います。

外から見ているだけだと、 「子どもの世話くらい」 と思えてしまうことでも、 毎日ずっと続けば負担はまったく違います。

しかも樹には発達上の特性があり、 莉子自身も 「自分の育て方が悪いのでは」 と悩み続けていました。

 

診断や支援につながることは、 単に病名をつけるためではありません。

「母親のせいではなかった」とわかるだけでも、 本人にとっては大きな救いになるんだと思います。

また智彦が、 自分にも似た部分があるのではと考え、 妻に謝るところも印象的でした。

誰か一人を悪者にして終わるのではなく、 理解して、やり方を変えていくことが大切 という終わり方なのがよかったです。

「向き合えない人」も、 かなり考えさせられます。

長年親が何でもやってくれる生活を続ければ、 50代になってから突然一人で生活しろと言われても、 簡単にはできません。

ただ、それを責めるだけでは何も変わらない。

ご飯を炊くような小さなことから、 本人のできることを増やしていく支援も必要なんですよね。

6巻は、 相手を変えるのではなく、その人と一緒に「できる方法」を探していく という本作の支援のあり方が、 特によく見える巻だったと感じました。

『死にたいと言ってください ―保健所こころの支援係―』6巻

6巻では、育児に追い詰められた母親を描く 「母親の孤独」が完結。

さらに「向き合えない人」「寄り添うこと」、 「見つけた居場所」へと続きます。

6巻をシーモアで読む

7巻のネタバレ

『死にたいと言ってください ―保健所こころの支援係―』7巻

全7巻・完結巻

7巻では「見つけた居場所」が完結。

家庭にも社会にも居場所を見つけられない10代と、 公的支援のすき間が描かれます。

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7巻の目次

  • 第35回 見つけた居場所2
  • 第36回 見つけた居場所3
  • 第37回 見つけた居場所4
  • 第38回 見つけた居場所5
  • 第39回 見つけた居場所6
  • 第40回 見つけた居場所7
  • 最終回 聞かせてください

7巻の主な登場人物

歩夢
家庭に居場所を見つけられず、 仲間たちと外で過ごすことが増えている10代の少年。
一見すると不良少年のようですが、 心の中では母親のことを強く心配しています。

歩夢の母親
心の状態が不安定で、 過去には自殺未遂や入院も経験しています。
歩夢に精神的に依存している部分もあり、 それが息子を家に縛りつける要因にもなっています。

歩夢の仲間たち
同じように家庭や社会に居場所を見つけにくい若者たち。
公園などに集まり、一緒に過ごしています。

基 羊介
精神保健福祉士。
歩夢と関わる中で、 10代の若者を支える制度そのものの難しさにも直面します。

7巻は、6巻から続く 「見つけた居場所」の続きから始まります。

歩夢は家庭に落ち着ける場所を見つけられず、 同じような若者たちと外で過ごしていました。

母親は心の状態が不安定で、 過去には自殺未遂を繰り返したこともあります。

歩夢自身も、 母親を完全に見捨てることができません。

外で仲間たちと遊んでいても、 母親から 「帰ってきて」 という連絡が入れば気になってしまいます。

自分の人生を生きたい。

でも、母親を放っておけば 何をするかわからない。

 

子どもでありながら、親を支える側にもなってしまっている のが歩夢でした。

一方で、歩夢自身にも現実的な問題があります。

生きていくためにはお金が必要です。

しかし本人は、 「働くことが嫌い」だとはっきり話します。

以前コンビニでアルバイトをしたこともありましたが、 職場の人間関係になじめず、 わずか数日で辞めてしまいました。

働きたくない。

でも、お金は必要。

だからといって、 何をしてお金を得てもいいとは思っていません。

歩夢の中には、 「間違ったことはしたくない」 という感覚が残っていました。

その部分を基たちは見逃しません。

ここで大きな問題になるのが、 10代の若者を誰が支援するのか ということでした。

児童相談所という仕組みはあります。

しかし年齢が上がり、 高校生くらいになってくると、 支援につなげること自体が難しくなっていきます。

学校へ通っていれば、 スクールカウンセラーなどにつなげることもできます。

ですが学校にも行かず、 家庭にも居場所がない。

さらに児童相談所でも継続的な対応が難しい。

そんな若者は、 支援制度のすき間に落ちてしまう可能性があります。

 

作中でも、 児童相談所以外には10代を包括的に支える場所が 非常に少ない現実が語られます。

問題行動を起こしてしまえば、 警察や少年院などにつながることはあります。

でも、本来必要なのは 問題を起こしてからの対応だけではありません。

その前の段階で、 「ここにいていい」と思える場所を作れるかどうか。

そこが歩夢のケースの大きなテーマになっています。

基たちは歩夢と話をしながら、 これから取れる選択肢を探していきます。

歩夢自身も、 今いる仲間たちとの生活を続けていていいのか、 少しずつ考えるようになります。

仲間たちと一緒にいる時間は楽しい。

それでも、 「ここにいたらダメになる」 という感覚も持っていました。

人は環境に大きく影響されます。

今いる場所が本人を悪い方向へ引っ張っているなら、 そこから離れることも支援の一つです。

そして歩夢は、 これまでとは違う道を選ぼうとします。

働くことへの抵抗は残っています。

それでも、 違法なことや危険な方法ではなく、 きちんとした形で生活していく道へ戻っていきます。

「見つけた居場所」は、 歩夢がすべての問題を解決して終わる話ではありません。

それでも、 自分がこれから生きていく場所を考え、 一歩ずつ社会へ戻ろうとするところまで描かれます。

7巻を読んだ感想

7巻で特に印象に残ったのは、 「支援のすき間」でした。

児童相談所という制度があるので、 10代なら何かしら公的な支援につながるものだと思っていました。

でも実際には、 年齢や生活状況によっては、 どこにもきれいにつながらないケースがあるんですよね。

学校へ通っていれば学校。

犯罪を起こせば警察や少年司法。

でもその間にいる、 「家にも学校にも居場所がないけれど、 まだ犯罪者でもない若者」を誰が支えるのか。

これはかなり大きな問題だと思いました。

歩夢も、 表面だけ見れば不良少年に見えてしまいます。

働きたくないと言い、 仲間と外で遊び、 家にもあまり帰らない。

それだけを見れば、 「本人が好きでそうしている」 と思われてもおかしくありません。

でも歩夢は、 母親がまた自殺未遂をするのではないかと ずっと心配しています。

その部分を誰かが聞かなければ、 ただの問題児として処理されて終わっていた可能性もあるんですよね。

もう一つ印象的だったのは、 環境を変えることの大切さです。

仲間と一緒にいること自体が悪いわけではありません。

でも本人自身が 「ここにいたらダメになる」 と感じる場所なら、 そこから離れることも必要です。

人間は意思だけで生きているわけではなく、 周囲の環境にもかなり左右されます。

だからこそ、 ただ「まじめに働きなさい」と言うのではなく、 まじめに生きられる環境へつなげることまでが支援なんだ と感じました。

歩夢が完全に立ち直ったというより、 「正しいルートへ戻れる可能性を作った」という終わり方なのも、 この作品らしくてよかったです。

そして全7巻の最後となる 最終回「聞かせてください」では、 物語は再び基自身へ戻ってきます。

基はこれまで、 「死にたい」という言葉を抱えた さまざまな人たちと向き合ってきました。

もちろん、 すべての人を救えるわけではありません。

正解がわからないまま終わったケースもあります。

それでも基は、 一人ひとりの話を聞き、 その人が少しでも生きられる道を探し続けてきました。

最終回では、 基が自身の原点ともいえる亡くなった人の墓前を訪れる姿 も描かれます。

まだまだ新人であり、 一人でできることは多くありません。

それでも先輩や周囲の人たちに支えられながら、 基はこれからも精神保健福祉士として歩いていきます。

タイトルにもある 「死にたいと言ってください」

それは「死んでもいい」という意味ではなく、 苦しさを一人で抱え込まず、 まず誰かに話してほしいという言葉なのだと思います。

誰かの人生をすべて変えることはできなくても、 話を聞き、隣に立つことはできる。

そんな本作のテーマを改めて感じさせる形で、 物語は完結しました。

『死にたいと言ってください』は7巻で完結

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死にたいと言ってください ―保健所こころの支援係―7巻ネタバレ|最終回の結末は?

ここからは完結巻となる7巻について、 「見つけた居場所」の結末から最終回まで、 さらに詳しく紹介します。

本作の最後で描かれるのは、 すべての問題をきれいに解決するような結末ではありません。

むしろ最後まで、 「支援するとはどういうことなのか」 を考えさせられる終わり方になっています。

最終回までの展開

7巻の中心となる「見つけた居場所」では、 家庭にも学校にも居場所を見つけられない 歩夢のケースが描かれます。

歩夢は仲間たちと外で過ごし、 働くことにも強い抵抗を持っていました。

一見すると、 ただ遊んでいる不良少年にも見えてしまいます。

しかし基たちが話を聞いていくと、 その背景には母親の存在がありました。

母親は精神的に不安定で、 過去には自殺未遂をしたこともあります。

歩夢は家から離れたいと思いながらも、 「自分がいなくなったら母親がまた何かするのではないか」 という不安を抱えていました。

つまり歩夢自身も、 子どもでありながら母親を支える側になっていたわけです。

ここを知らなければ、 歩夢は単なる「素行の悪い少年」として 見られて終わっていたかもしれません。

さらに難しいのが、 歩夢のような10代をどこにつなぐのかという問題でした。

児童相談所はあります。 学校に通っていれば、 学校側の支援につながる可能性もあります。

しかし、 家庭にも学校にも居場所がない10代になると、 継続して支援できる公的な受け皿は一気に少なくなります。

犯罪を起こしてから警察や少年司法につながるのでは遅い。

その前の段階で支援したくても、 適切な場所がなかなか見つからない。

まさに「支援のすき間」です。

それでも歩夢には、 「何をしてでも金を稼げればいい」 という考えはありませんでした。

働くことは嫌い。 でもお金は必要。

その一方で、 間違ったことをして稼ぐのは違う という感覚は持っています。

基たちはそこに可能性を見つけます。

また歩夢自身も、 今いる仲間たちとの生活について、 少しずつ考えるようになります。

仲間と過ごすことは楽しい。

でも、 「ここに居続けたらダメになる」 ということも本人はわかっていました。

環境というのは本当に大きいですよね。

本人にやり直す意思があっても、 周囲が以前と同じままなら、 また元の生活へ引き戻される可能性があります。

歩夢は最終的に、 これまでの環境から距離を取り、 正当な形で社会に戻っていく道を選びます。

すべてが解決したわけではありません。

それでも、 「ここからやり直せる」という場所まで たどり着いたことが、 歩夢にとっての「見つけた居場所」だったのだと思います。

最終回の結末

そして最終回のタイトルは、 「聞かせてください」です。

最終回では、 基がこれまで関わってきた人たち、 そして支援者として歩んできた時間を 振り返るような展開になります。

基はまず、 亡くなった人の墓前を訪れます。

これまで支援に関わってきた中には、 どうしても救えなかった人もいました。

「あのとき何ができたのだろう」 という思いは、 支援する側にも残り続けます。

それでも基は、 精神保健福祉士として仕事を続けていくことを選びます。

そして保健所へ戻れば、 また新しい相談者がやってきます。

一人暮らしについて不安を抱える女性に対しても、 基は答えを一方的に決めるのではなく、 「一緒に考えましょう」 という姿勢で向き合います。

その後も基は、 自転車で相談者のもとへ向かい続けます。

危険な場面もある。 相談がうまくいかないこともある。

それでも今日も、 誰かのもとへ向かっていく。

そんな日常の中で物語は終わります。

最終回で伝えられたこと

誰かを必ず救えるわけではありません。
それでも、人とつながることを諦めないでほしい。
あなたを待っている人はいる。

タイトルの 『死にたいと言ってください』も、 最後まで読むと印象がかなり変わります。

「死にたいなんて言ってはいけない」 ではありません。

本当に苦しいなら、 まずその気持ちを誰かに話してほしい。

そして、 話してくれる人を待っている支援者もいる

それがこの作品の最後に残された メッセージなのだと思います。

感想

全7巻を読んで、 私自身かなり勉強になった作品でした。

うつ病や発達障害、依存症、育児、 DV、家族問題、10代の孤立など、 本当にいろいろなケースが描かれていました。

そして一番強く感じたのは、 支援する側も決して万能ではないということです。

作中では、 新人の支援職でも20件以上のケースを抱え、 児童相談所では児童福祉司一人あたり 70件を超えるケースを担当することもあるという 厳しい状況が描かれています。

70人ですよ……。

 

一人ひとりの家庭環境を調べ、 本人や家族から話を聞き、 必要なら訪問もし、 関係機関との調整もする。

これだけの人数を抱えて、 すべての人に十分な時間を使うことができるのか。

支援が十分に足りているとは、 とても思えませんでした。

行政の対応について、 「お役所仕事だ」 と感じることもあります。

もちろん改善すべき部分はあると思います。

ただ、この作品を読むと、 現場の人たちが冷たいというだけではなく、 一人が抱えている仕事量そのものが多すぎる という問題もあるのだと感じます。

時間も人も足りなければ、 どうしても一件一件にかけられる時間は減ります。

その結果として、 相談する側からは形式的な対応に見えてしまうことも あるのかもしれません。

また7巻で描かれた 10代への支援も印象に残りました。

児童相談所の対象ではあっても、 年齢や状況によっては支援につながりにくい。

学校にも行っていない。 犯罪を犯したわけでもない。

でも家庭には帰れない。

困っているのに、 制度のどこにもきれいに当てはまらない。

こういう「支援のすき間」があることは、 この作品を読まなければ あまり意識しなかったと思います。

歩夢のケースもそうでした。

本人の表面的な行動だけを見れば、 「働きたくない不良少年」で終わってしまいます。

でも話を聞けば、 母親をずっと心配している子どもでもあった。

人の行動だけを見るのではなく、 「なぜそうなったのか」を聞くこと。

この作品が何度も描いてきたのは、 そこだったように思います。

そして、この作品の目的は 誰かに完璧な解決方法を教えることではないのでしょう。

命を諦めないでほしい。

一人で抱えず、 誰かにつながってほしい。

そのために 「まず話を聞かせてください」と伝える。

とてもシンプルですが、 最後まで一貫した作品でした。

私もいろいろなケースを知ることができ、 とても勉強になりました。

そしてこの記事や作品が、 今まさに苦しんでいる誰かにとって、 「誰かに話してみようかな」と思えるきっかけになればいいな と思います。

 

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この記事では、このあと1巻から7巻までの内容と、 完結7巻・最終回の結末までネタバレありで紹介していきます。

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まとめ

『死にたいと言ってください ―保健所こころの支援係―』は、 全7巻で完結しています。

最終7巻では、 家庭や学校からこぼれ落ちた10代の 「支援のすき間」が描かれ、 最終回「聞かせてください」へとつながります。

本作には、 簡単なハッピーエンドばかりが描かれているわけではありません。

支援につながって回復する人もいれば、 どうしても救えなかったケースもあります。

それでも支援する人たちは、 次の相談者の話を聞き続けます。

「死にたい」と思うほど苦しいなら、 その気持ちを一人で抱え込まずに話してほしい。

そして、 その話を聞こうとしている人は必ずいる。

それが、 この作品が全7巻を通して伝えたかったことなのだと思います。

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