メイトの漫画まとめ速報

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『みいちゃんと山田さん』祖母が諸悪の根源と言われる理由|32話で見えた中村家と宮城の闇

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『みいちゃんと山田さん』で諸悪の根源とも言われるみいちゃんの祖母。

なぜ彼女はここまで批判されるのか。

中村家の家族構造、障害への無理解、世間体、地方社会の閉塞感を踏まえながら、みいちゃんに押し付けられた“家の業”を考察します。

 

この記事は『みいちゃんと山田さん』32話「おかえり(2)」までの内容を含むネタバレ考察です。

『みいちゃんと山田さん』を読んでいると、みいちゃんの祖母に対して「この人が諸悪の根源ではないか」と感じる場面があります。

もちろん、みいちゃんの人生が壊れていった理由を、祖母一人にすべて押し付けることはできません。

みいちゃんの母である芽衣子、みいちゃんの父、地元の同級生たち、学校、地域社会、そして障害や家庭問題を隠そうとする空気。

いくつもの要素が重なった結果、みいちゃんは中村家の業を背負わされるような人生を歩むことになりました。

ただ、その始まりをたどっていくと、やはり祖母の選択が大きな分岐点になっているように見えます。

この記事では、みいちゃんの祖母がなぜ「諸悪の根源」と言われるのか。

そして、5月3日配信の32話「おかえり(2)」で明らかになった宮城でのみいちゃんの危険性も踏まえながら、中村家と地元社会の闇を整理していきます。

 

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『みいちゃんと山田さん』祖母が諸悪の根源と言われる理由

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みいちゃんの祖母が諸悪の根源と言われる理由は、大きく言えば「中村家の問題を外に出さず、家の中だけで隠し続けたから」です。

その結果、本来であれば支援につながるべきだった人たちが支援から遠ざけられ、最終的にすべての負担がみいちゃんへ押し付けられていきました。

ルートとして整理すると、かなり残酷です。

  • 知的障害、または発達障害と思われる兄妹が生まれる
  • 祖母は夫と離縁、あるいは死別した可能性がある
  • 家の問題を外に出さず、隠すことを前提に育てる
  • 兄妹間でみいちゃんが生まれてしまう
  • 兄は外部へ放逐される
  • みいちゃんは東京へ追い出される
  • 芽衣子が手に負えなくなり、家も荒れ果てる
  • 戻ってきたみいちゃんを生活費や家事要員として期待する
  • 祖母本人は酒に逃げている

この流れを見ると、みいちゃんは自分の人生を自分で選んで転落したというより、中村家が抱え続けてきた問題の出口に立たされた存在に見えます。

祖母が守りたかったのは、みいちゃんではなく「家の体面」だったのではないか。

そう見えてしまうからこそ、読者から強く批判されているのだと思います。

中村家の問題を外に出さず、家の中だけで抱え込んだ

祖母の最大の問題は、中村家の異常を外部に出さなかったことです。

みいちゃんの父や母には、通常の家庭生活や社会生活を送るうえで大きな困難を抱えているような描写があります。

本来であれば、家族だけで抱えるのではなく、行政、学校、福祉、医療などにつなげる必要があったはずです。

しかし祖母は、外へ助けを求めるよりも、隠すことを選んだように見えます。

その結果、中村家の問題は解決されるどころか、家の中でどんどん濃くなっていきました。

外に出せない。

人に知られたくない。

家の恥にしたくない。

その感情が優先された結果、最も弱い立場だったみいちゃんに、すべてが流れ込んでいったのだと思います。

みいパパと芽衣子を「隠す」ように育てた可能性

中村家の歪みは、みいちゃんが生まれる前から始まっていたように感じます。

みいちゃんの父と芽衣子は、適切な支援を受けながら社会と関わるのではなく、家の中で隠されるように育てられてきた可能性があります。

地方の狭いコミュニティでは、家族に問題があると、すぐに噂になります。

「あそこの家は変わっている」

「あの子は普通じゃない」

「親の育て方が悪い」

そういう言葉が、地域の中でずっとつきまとっていたのかもしれません。

祖母にとっては、子どもたちを守ることと、世間から家を守ることが混ざってしまったのだと思います。

けれど、その選択は結果的に、子どもたちを社会から切り離し、支援からも遠ざけることになりました。

芽衣子を産んだ理由にも希望的観測があったのかもしれない

みいちゃんの祖母について考えると、芽衣子を産んだ理由にも重いものを感じます。

みいちゃんの父に障害があるとわかった時、祖母は「二人目が健常児なら、障害のある兄を支えてくれるのではないか」と考えたのではないでしょうか。

これはあくまで考察ですが、昔の家庭では、障害のある家族をきょうだいが支えるという考え方が、今よりも自然に存在していた可能性があります。

つまり芽衣子は、最初から一人の子どもとしてだけではなく、兄を支える役割を期待されて生まれたのかもしれません。

しかし、その芽衣子自身もまた、支えられる側の人間だった。

ここに中村家の悲劇があります。

誰かが誰かを支えるはずだったのに、誰も自立できず、誰も適切な支援につながれなかった。

そして最終的に、その役割がみいちゃんへ流れていったのだと思います。

兄妹間でみいちゃんが生まれるという最悪の結果へ

中村家の問題が決定的になったのは、兄妹間でみいちゃんが生まれてしまったことです。

これは、家族内の問題を隠し続けた結果、最悪の形で表面化した出来事だと思います。

もちろん、みいちゃん自身に罪はありません。

みいちゃんは、自分の意思でその家に生まれたわけではありません。

それなのに、周囲の大人たちはみいちゃんを「祝福される子ども」としてではなく、「知られてはいけない存在」「家の恥を背負った子」のように扱ってしまった。

この時点で、みいちゃんはすでに中村家の業を背負わされていました。

彼女が何かをしたからではありません。

生まれた瞬間から、大人たちの失敗と罪を押し付けられていたのです。

須崎先生の支援提案を拒否したことが大きな分岐点

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祖母と芽衣子の罪が重いと感じるのは、みいちゃんに支援の手が差し伸べられた場面があったからです。

須崎先生は、みいちゃんを特別支援学級へ転籍させ、適切な支援や療育を受けさせようとしていました。

これは、みいちゃんの将来を考えれば、とても大きな分岐点だったと思います。

もしこの時点で支援につながっていれば、みいちゃんは自分の困りごとを理解され、必要なサポートを受けながら成長できたかもしれません。

学校で孤立することも、不登校になることも、東京へ放り出されることも、少しは違った形になっていた可能性があります。

しかし祖母と芽衣子は、それを拒否しました。

理由は、おそらく世間体です。

特別支援学級に入ることは、中村家の問題が外から見える形になる。

みいちゃんに支援が必要だと認めることは、家の中の異常を認めることにもつながる。

だから祖母たちは、支援よりも「普通学級にいること」を選んだように見えます。

けれど、それはみいちゃんのための選択ではありません。

家の恥を隠すための選択でした。

みいちゃんを“おぞましい子”として扱った罪

さらに重いのは、みいちゃんを「おぞましい子」のように扱っていたことです。

みいちゃんは、自分で望んでその家に生まれたわけではありません。

兄妹間に生まれたことも、母親が芽衣子であることも、中村家に生まれたことも、すべて本人にはどうしようもないことです。

それなのに、周囲の大人たちは、みいちゃん自身を問題の象徴のように扱いました。

本来責任を負うべきだったのは、大人たちです。

家族の問題を隠し、支援を拒み、子どもを守らなかった大人たちです。

それにもかかわらず、みいちゃんは「家の恥」や「気持ち悪い存在」のように扱われてしまった。

ここに、祖母が諸悪の根源と言われる大きな理由があると思います。

祖母はなぜ支援を拒み、世間体を優先したのか

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ただ、祖母を一方的に悪者として切り捨てるだけでは、この作品の怖さは見えてこない気もします。

祖母は確かに、みいちゃんを救えなかった人です。

けれど同時に、祖母自身もまた、地方社会や時代の空気に追い詰められていた人だったのではないでしょうか。

地方の狭いコミュニティでは噂が生活を壊す

田舎や地方の集落では、地域のコミュニティが狭く、人間関係も密接です。

良い意味では助け合いがありますが、悪い意味では、噂話や悪口から逃げにくい環境でもあります。

家族が問題を起こしたり、目立つ行動をしたりすれば、すぐに噂の対象になります。

しかも、その噂は本人だけで終わりません。

親、兄弟、親戚、子ども、孫にまで広がっていきます。

「あそこの家はおかしい」

「あの家の血筋は変だ」

そんな見方をされることは、地方で暮らす人にとってはかなり重いことです。

祖母が世間体に執着した背景には、こうした閉じた地域社会の怖さがあったのだと思います。

障害者差別が今より強かった時代背景

さらに、祖母が子育てをしていた時代は、今よりも障害への理解が乏しかったはずです。

今でこそ、発達障害、知的障害、特別支援教育、療育といった言葉は少しずつ一般に知られるようになっています。

それでも、まだ偏見はあります。

まして昔であれば、障害のある子を産んだ母親が責められたり、「育て方が悪い」と言われたりすることも珍しくなかったのではないでしょうか。

祖母にとって、子どもの障害を外に出すことは、自分自身が責められることでもあったのかもしれません。

だからこそ、彼女は支援を求めるのではなく、隠す方向へ向かってしまった。

その心理は間違っています。

でも、当時の空気を考えると、まったく理解できないとも言い切れないのが苦しいところです。

女手一つで家を守るには「隠す」しかなかったのかもしれない

祖母は夫と離縁、あるいは死別していた可能性があります。

もし女手一つで家庭を支えていたのだとすれば、彼女にとって最も怖かったのは、地域の中で孤立することだったのかもしれません。

周囲とうまくやっていけなくなれば、生活そのものが成り立たなくなる。

助けてもらえなくなる。

子どもたちを見る目もさらに厳しくなる。

そう考えると、祖母が世間体を気にするようになったのは、単なる見栄だけではなかったとも考えられます。

生き残るために、家の問題を隠すしかない。

そう思い込んでいた可能性はあります。

ただし、その選択が結果的にみいちゃんを犠牲にしたことは変わりません。

みいちゃんは中村家の業を背負わされた存在だった

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みいちゃんの悲劇は、彼女一人の性格や行動だけで説明できるものではありません。

みいちゃんは、中村家が積み重ねてきた歪みの出口に立たされた存在です。

祖母の世間体、芽衣子の未熟さ、みいパパの問題、地域社会の閉塞感。

そのすべてが、最終的にみいちゃんへ流れ込んでいます。

母・芽衣子の罪までみいちゃんに押し付けられた

みいちゃんの母である芽衣子も、本来なら支援を受けるべき人だったのだと思います。

しかし、芽衣子自身が抱えている問題は、きちんと整理されないまま放置されました。

その結果、芽衣子の未熟さや生活能力の低さ、家を維持できない問題まで、みいちゃんに押し付けられていきます。

本来なら、母親が子どもを守るべきです。

しかし中村家では、子どもであるみいちゃんが、母親や祖母の尻拭いをさせられているように見えます。

ここが本当に残酷です。

みいちゃんは加害性を持つ人物として描かれる一方で、同時に中村家の犠牲者でもあります。

彼女の問題行動だけを見ていると、その奥にある「押し付けられた業」が見えなくなってしまいます。

東京へ追い出されたのは救済ではなく厄介払いだった

みいちゃんが東京へ出されたことも、見方によっては救済ではなく、厄介払いに見えます。

地方の家に置いておけば、みいちゃんの存在は中村家の問題を周囲に見せ続けることになります。

祖母や芽衣子にとって、みいちゃんは家の中にいるだけで都合の悪い存在だったのかもしれません。

だから東京へ出す。

外へ逃がしたようでいて、実際には自分たちの目の前から消しただけ。

そう考えると、みいちゃんが東京でどう生きるのか、どう傷つくのかについて、祖母たちは本気で考えていなかったようにも見えます。

みいちゃんの人生ではなく、中村家の体面が優先された。

だからこそ、この選択もまた、祖母が批判される理由になるのだと思います。

戻ってきたみいちゃんに家事と生活費を期待する残酷さ

さらに宮城へ戻ってきたみいちゃんに対して、祖母や芽衣子は家事や生活費を期待しているように見えます。

家は荒れ果て、芽衣子は生活を立て直せず、祖母は酒に逃げている。

そんな状態で、戻ってきたみいちゃんを家族として受け入れるのではなく、家事要員、生活費要員として見ているような空気がある。

これはかなり残酷です。

みいちゃんはずっと家族の問題を背負わされ、東京へ追い出され、傷ついて戻ってきた存在です。

それなのに、また家の維持のために使われそうになっている。

中村家は、最後までみいちゃんを一人の人間として扱っていないように感じます。

32話「おかえり(2)」で明らかになった宮城の危険性

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5月3日配信の32話「おかえり(2)」では、みいちゃんが宮城へ戻ってきたことで、地元側の危険性も一気に見えてきました。

ここで描かれたのは、単に「みいちゃんが実家に戻ってきた」という話ではありません。

宮城には、みいちゃんを搾取してきた過去の人間関係が、ほとんどそのまま残っていました。

つまり、みいちゃんにとって宮城は安心できる故郷ではなく、過去の加害者、噂話、見下し、家族の依存がまとめて残っている場所だったのです。

みいちゃんに乱暴した先輩が、今も地元で普通に暮らしている

32話で特に重かったのは、中学時代にみいちゃんへ乱暴した先輩が、今も宮城で普通に暮らしていることです。

しかも彼は、奥さんがいて、子どもがいて、休日には仲間とバーベキューをするような生活を送っています。

地方における「幸せな生活」のモデルとしては、かなりわかりやすい姿です。

若くして家庭を持ち、地元の仲間とつながり、休日には家族ぐるみで集まる。

外から見れば、安定していて、楽しそうで、ちゃんと生活しているようにも見えます。

けれど、その裏側には、みいちゃんを傷つけた過去がある。

それでも彼は、地元で普通に生きている。

この描写がかなり残酷です。

みいちゃんだけが過去に引きずられ、傷を抱え、居場所を失っている一方で、加害側の人間は家庭を持ち、仲間に囲まれ、地域の中で当たり前に暮らしている。

この非対称性が、32話でかなり強く描かれていたと思います。

幸せな家庭を持ちながら「このままでいいのか」と揺れるDQN勢

ただ、その先輩たちも、単純に満たされきっているわけではなさそうです。

奥さんがいて、子どもがいて、仲間もいる。

地元で見れば、かなり恵まれた生活をしているように見えます。

けれど本人たちの中には、「このままでいいのか」という停滞感や物足りなさもあるように感じました。

これは、かなり典型的な地方の閉塞感として描かれていると思います。

若い頃は仲間と騒ぎ、女の子を雑に扱い、地元の中で強い側にいた。

大人になって家庭を持ち、一応は落ち着いた生活をしている。

でも、心のどこかでは昔の刺激や支配感を忘れられていない。

だから、みいちゃんが帰ってきたことが、彼らにとって危険なスイッチになってしまう可能性があります。

今の生活に大きな不満があるわけではない。

でも、どこか退屈している。

その退屈を埋めるために、かつて搾取できた相手へまた手を伸ばそうとする。

そう考えると、みいちゃんの帰郷は、彼らにとっても「昔のノリ」を再開するきっかけになりかねません。

「俺たちの伝説がまた始まるぜ」が示す再搾取の予感

32話で印象的なのが、「俺たちの伝説がまた始まるぜ」というような描写です。

この言葉は、かなり不穏です。

普通なら、久しぶりに地元へ戻ってきた同級生に対して使う言葉ではありません。

そこには、みいちゃんを一人の人間として見ている感じがほとんどありません。

むしろ、昔のように自分たちの都合で扱える存在、からかえる存在、搾取できる存在として見ているように感じます。

彼らにとって、みいちゃんは「帰ってきた友人」ではないのだと思います。

昔、自分たちが雑に扱えた女の子。

地元の中で下に見てよかった存在。

そして、自分たちの退屈を埋めるために使える存在。

そんな認識が残っているからこそ、「また始まる」という言葉が出てくるのではないでしょうか。

この時点で、みいちゃんの宮城生活には大きなリスクがあります。

中村家の中では祖母や芽衣子に搾取され、家の外では過去の先輩や同級生たちに再び狙われる。

つまり、宮城にはみいちゃんが逃げ込める安全圏がほとんどないのです。

女性陣の噂話から見える、みいちゃんへの冷たい視線

32話では、女性陣の反応もかなり現実的でした。

周囲の同級生たちは、みいちゃんに対して好意的ではありません。

むしろ、昔からみいちゃんのことを嫌っていたような空気があります。

さらに、みいちゃんが東京へ行ったこと、そして風俗に落ちていたことを知っているような描写もありました。

これが地方の怖さです。

本人が隠したいことでも、どこかから噂として広がっている。

しかも、その噂は同情ではなく、見下しや軽蔑の材料として使われる。

女性陣から見たみいちゃんは、守るべき存在ではなく、気持ち悪い存在、関わりたくない存在、あるいは自分たちの生活を乱す存在なのかもしれません。

特に、奥さんや子どもがいる男性たちがみいちゃんに興味を示せば、女性陣にとってみいちゃんは「被害者」ではなく「危険な女」として見られる可能性もあります。

本来なら悪いのは、みいちゃんを搾取しようとする男性側です。

けれど、地元のコミュニティでは、みいちゃんの方が責められる構図になりかねません。

このあたりも、宮城編のかなりしんどい部分だと思います。

宮城にはみいちゃんの味方がほとんどいない

32話時点で見えてくるのは、みいちゃんの周囲に味方がほとんどいないということです。

家に戻れば、祖母と芽衣子がいる。

しかし、その家は安心できる場所ではありません。

祖母は酒に逃げ、芽衣子は生活能力が低く、みいちゃんに依存する可能性が高い。

外に出れば、中学時代にみいちゃんを傷つけた先輩たちがいる。

さらに女性陣からは、噂と偏見の視線を向けられる。

つまり、家の中にも外にも、みいちゃんを守る場所がほとんどないのです。

唯一、味方になり得る存在がいるとすれば、ムウちゃんくらいかもしれません。

ただ、ムウちゃん一人でみいちゃんを守り切れるかというと、それもかなり難しいと思います。

中村家の問題、地元の男たちの加害性、女性陣の噂話、地方コミュニティの閉鎖性。

そのすべてがみいちゃんを囲んでいる。

だから32話「おかえり(2)」は、単なる帰郷回ではなく、みいちゃんが再び搾取構造の中心へ戻されてしまったことを示す回だったのだと思います。

祖母を一方的に叩けない理由

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ここまで見ると、祖母が諸悪の根源と言われるのは当然にも思えます。

ただ、個人的には祖母を完全な悪として切り捨てるのも少し違う気がします。

祖母は確かに、みいちゃんを救えなかった人です。

けれど、祖母自身もまた、時代と地域社会に押しつぶされた人だったのではないでしょうか。

当時の地方社会で正解を選ぶのは難しかった

今の感覚で見れば、祖母は明らかに支援につなげるべきでした。

みいちゃんを特別支援学級へ転籍させるべきだったし、芽衣子やみいパパにも福祉的な支援が必要だったと思います。

でも、当時の地方社会でそれを選ぶのは、簡単ではなかったはずです。

障害への理解が乏しく、支援制度も今ほど身近ではなく、地域の目も厳しい。

その中で「うちの家には支援が必要です」と外へ出すことは、祖母にとっては家を差し出すような怖さがあったのかもしれません。

だからといって、みいちゃんを犠牲にしていい理由にはなりません。

ただ、祖母の判断を「性格が悪い」「毒親だから」で片付けるには、背景が重すぎる気もします。

祖母自身もまた差別と世間体に追い詰められていた

祖母は世間体を気にしすぎた人です。

けれど、その世間体は祖母一人が作り出したものではありません。

地域社会の目、障害への差別、女手一つで家を守る不安。

そうしたものが重なった結果、祖母は「隠す」という選択にしがみついてしまったのだと思います。

現代の読者から見れば、祖母の行動は冷たく、身勝手で、許しがたいものに見えるかもしれません。

でも、それを理解できない時代になったのだとしたら、それは少しだけ良いことでもあるのかもしれません。

昔よりも、障害や支援について語れるようになった。

家の問題を外へ出すことが、少しずつ恥ではなくなってきた。

そういう時代の変化があるからこそ、祖母の選択はより異様に見えるのだと思います。

それでも、みいちゃんを犠牲にした責任は消えない

ただし、祖母に同情できる部分があるとしても、みいちゃんを犠牲にした責任は消えません。

支援を拒んだこと。

みいちゃんを通常学級に無理やり在籍させたこと。

みいちゃんを忌み子のように扱ったこと。

東京へ追い出したこと。

戻ってきたみいちゃんに、また家の負担を背負わせようとしたこと。

これらは、どれも「仕方なかった」だけでは済ませられません。

祖母にも事情はあった。

でも、みいちゃんにはもっと何も選べなかった。

この差は、とても大きいです。

みいちゃん出戻り時点で中村家を立て直す方法はあったのか

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みいちゃんが宮城へ戻ってきた時点でも、中村家を立て直す方法が完全になかったわけではないと思います。

ただし、それは家族全員が今までの形を続けることではありません。

むしろ、中村家を一度解体するくらいの対応が必要だったように感じます。

芽衣子を外部へ離すという選択

まず必要だったのは、芽衣子を家から離すことだったのかもしれません。

芽衣子は、みいちゃんにとって母親であると同時に、中村家の混乱の中心でもあります。

家事も生活も成り立たず、みいちゃんに依存する構図が続くなら、同じことが繰り返されるだけです。

兄が外部へ放逐されたように、芽衣子にも何らかの外部支援や施設、保護の場が必要だったのではないでしょうか。

祖母が家を手放して生活保護を受ける選択

祖母についても、家を守り続けること自体が限界だったように見えます。

荒れ果てた家にしがみつき、酒に逃げ、みいちゃんを家事要員として期待するくらいなら、家を手放して生活保護や福祉につながる方が現実的だったかもしれません。

もちろん、地方の高齢者にとって家を手放すのは簡単ではありません。

でも、中村家はもう家族だけで維持できる状態ではなかったのだと思います。

みいちゃんを再び東京側へ逃がす選択

みいちゃんにとっては、宮城の家に戻ること自体が危険だった可能性があります。

中村家に戻れば、また母や祖母の問題を背負わされる。

家族の世話をさせられ、生活費を期待され、過去の業に引き戻される。

さらに32話で描かれたように、家の外には過去のみいちゃんを知る同級生や、みいちゃんを搾取してきた男たちもいます。

そう考えると、みいちゃん自身は宮城に戻るよりも、東京側の生活に戻る方がまだ現実的だったのかもしれません。

もちろん、それが幸せな選択とは言えません。

けれど、中村家と地元の搾取構造に戻って家族の犠牲になるよりは、まだ自分の人生を選べる余地があったようにも思います。

まとめ|諸悪の根源は祖母だけではなく、中村家と宮城の閉鎖性そのもの

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『みいちゃんと山田さん』で、みいちゃんの祖母が諸悪の根源と言われる理由はよくわかります。

祖母は中村家の問題を隠し続け、支援を拒み、世間体を優先し、最終的にみいちゃんへすべてを押し付けました。

みいちゃんを守るべき立場にいながら、彼女を「家の恥」や「おぞましい子」のように扱ったことは、決して軽く見られるものではありません。

ただ一方で、祖母だけを悪者にして終わらせると、この作品が描いている本当の怖さを見落としてしまう気もします。

祖母の背後には、障害への無理解、地方社会の閉塞感、世間体、貧困、女性一人で家を守る苦しさがありました。

祖母は加害者です。

けれど同時に、時代や地域社会に追い詰められた人でもあったのだと思います。

そして32話「おかえり(2)」で描かれた宮城は、みいちゃんにとって故郷ではなく、家族、同級生、加害者、噂話がすべて残っている場所でした。

つまり、みいちゃんが背負っているのは中村家の業だけではありません。

彼女を見下し、使い、噂し、都合よく消費してきた地元そのものの業でもあるのだと思います。

みいちゃんには、何の責任もありません。

みいちゃんは、中村家の業を背負わされ、母や祖母の罪を押し付けられ、まるで身代わりのように生きることになった存在です。

だからこそ、この物語はただの個人の転落ではなく、家族の問題を隠し続けた先に何が起きるのかを描いた作品なのだと思います。

みいちゃんの悲劇は、みいちゃんだけのものではありません。

中村家が見ないふりをしてきたもの。

地域社会が押し込めてきたもの。

大人たちが責任を取らなかったもの。

そのすべてが、みいちゃんという一人の女の子に流れ込んでしまった。

だからこそ、みいちゃんの祖母は「諸悪の根源」と言われるのだと思います。